プロローグ

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プロローグ

そこは 不思議な空間だった 外から見ると 廃墟ビルに ちょっと洒落た 扉が付いているだけ 中に入ると 外の喧噪とはうってかわり どこか 懐かしい空気に包まれる 『いらっしゃい』 柔らかで 穏やかな声の女主人 夜明けとともに 明かりが灯り 昼前には閉まり 6人も座ればいっぱいの カウンター席があるだけの こじんまりとした店 メニューは その日の気分で作る デザートと 煎茶と紅茶のみ なぜか 飲み過ぎた躰には しっとりと癒される 『栞』 時間も忘れ 一息 つきませんか?
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