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職員室に呼ばれて、先生と警察のひとと話をしたけれど、何を話したかは覚えていない。
親が迎えに来て、家に帰って。
自分の部屋にこもって、やっと現実に戻ってきた。
ただただ怖かった。吐き気と嗚咽、涙が止まらない。
ティッシュの箱を引きちぎり、中身をぜんぶ取り出して顔を拭いた。
夜が明ける頃、疲れて寝てしまうまで泣き続けた。
夢は見ていない。
それでも、びっしょりと汗をかいて飛び起きた。
部屋から出る気にはなれず、着替えるとまたベッドに戻る。
眠気はない。むしろ目が冴えていた。
枯れるまで泣き続けたのに、また涙がこぼれてくる。
身体中の水分が涙になって流れてしまうようだった。
それから、寝れない日々が続いた。
まぶたを閉じると、あの子の顔が浮かんでくるし笑い声まで聞こえてくる。
食事も取れなくなった。
においだけで吐き気を催し、空っぽの胃からは胃液しか吐き出せない。
鏡をみると、目の下に隈が出来ていた。
そのうしろであの子が笑っている。
振り向けなかった。
鏡の中で、あの子と目が合う。
「早くこっちにおいで」
そんな声が聞こえた気がした。
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