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その光に差された一人の人間がいた。
名はグロム。
このグロムという男は町で15歳にして、魔術において世界の頂点に立った男である。
そして、その光とともに町からグロムが消えた。
「いたっ。どこだここは。」
「ようこそいらっしゃいました。勇者グロム。」
そこには背中から羽が生えた手のひらサイズの女の子が宙に浮いていた。
「どなたですか…?」
首を傾げながらグロムは聞いた。
「私はこの町の守護妖精のライナ。私の町が魔王軍に襲われてるから、急いであなたを呼び出したの。」
「はぁ。そうですか。とりあえず、今まさに魔王軍に襲われてる訳ですよね?町の人々が心配なので、早く帰してくれませんか?あそこ光ってるところ出口ですよね。帰りますね」
スタスタと光の出口らしきところへ向かう。
「待てぇぇい!!私の話聞いてたよね。勇者って言ったのもしかして聞こえてない?聞こえてないの?ねぇねぇ。待ってってばぁ。」
そう言いながら俺の服のフードを引っ張るライナ。
「勇者??何?おとぎ話に付き合ってる暇ないんだけど。」
「違うってばぁぁ。とりあえずここは時が流れる時間は現世に対して3000分の1の流れだから安心して私の話聞いてぇぇぇ。」
「分かった10分だけ聞きましょう。」
そう言いグロムはその場に足を組んで座った。
「まずこの町を守るために私があなたに勇者の加護を与えて、グロム魔王軍を追い払ってもらうって話!悪くないでしょ?」
そう言い偉そうに腕を組んでえっへんとでも言いたそうにライナがこちらを見ている。
「怪しいので、結構です。話はそれで終わりですか?では私はこれで失…」
そう言い立ち上がろうとした時
「分かったってごめんってば。ちゃんと説明するから、もう一度だけ考えて?ね?ね?」
そう言い慌ててライナはグロムを引き止めた。
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