王都

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その一人とは目立つような金色の鎧を付けたまさに金持ちのボンボンみたいな男がいた。 「国王様。あの金色の鎧の方は一体何者でしょうか。」 「あぁ…それはじゃな…」国王の目が泳ぐ。 「その必要はないぜ親父。いや、国王陛下。俺は俺自身で自己紹介するぜ。俺はエリック・パー・グラトン。国王陛下の息子だよろしくな。」 エリック王子は腕を組んで偉そうな態度で自分の自己紹介をした。 「!?国王陛下。大事な王子を魔王軍と戦わせるなど正気ですか!?」 慌てて国王陛下の方へ振り向く。 「うむ…。ワシも辞めておけと言ったのだがの〜。行くと聞かぬのじゃ。」 「なんだぁ?お前。この俺が魔王軍と戦うのが気に食わねぇのか?」そう言ってグロムは胸ぐらを掴まれる。 「いや、王子は大事な王族の血筋。何かあっては困りますから、そう申し上げただけで。」 と言ってはみたものの見た感じ正直仲間と呼ばれる二人より魔力量、筋力ともに劣るように見えた。 「はっ!王家の血筋だからこそ勇者の仲間に相応しいんじゃねぇか。下民のテメェよりずっとうえだろ。舐めてんのか。」 そう言って掴んでいた手を投げるようにして離す。 「ま、まぁそのぐらいにして残り2人の紹介をしよう。」 国王が長い髭を触りながら言う。 「私は剣士のガイン・ヴォルガだ。世界2位の剣士だ。よろしく頼む。」そう言い握手をしようと手を伸ばされ、握手を交わす。 筋肉隆々したその逞しい身体は剣士の申し子といったところか。 「わ…私はアイヌ・テトラと申します。一応魔法士ですが、得意とするのは補助魔法全般です。よろしくお願いします。」ペコりと頭を下げる。 こちらはひ弱そうな女性ではあるが、国王によると王都で一番の魔法の使い手なのだという。
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