星に願いを ～運命の人・続パラレルワールド～

10.会いたい気持ちは同じなのに

入院してから2週間が過ぎた。
俺はどうにか七海の携帯番号を知ろうと
友達にも頼んで伝票を探してもらったが見つからなかった。

だんだん不安になってきた。
七海のことだから絶対に闇落ちしているだろう。

叶子の結婚式のときに七海から言われた言葉は
すごく傷ついたけどその通りだと思った。
それに対して返す言葉がなかった。

七海の街に行こうとは思っている。
でも行くにはちゃんとした仕事を探さないと。
行き当たりばったりで行くわけにはいかない。

１年間お金もためてきた。少しづつだがそれなりの額にはなった。
家ぐらいは借りれるだろう。あと少しだったのに。

七海にちゃんと言ってあげればよかったな。
俺はいつも七海に怒られていた。
言葉が少ないから何を考えているかわからないって。

だけどまだわからないことを口に出すのが苦手だ。
あいまいなことを伝えたほうがダメだった時のショックが大きい。
だからちゃんと決まってから言いたかった。
俺はいつもそう思っている。
中途半端なことを七海には言いたくない。

それをわかってほしかったけど、口下手な俺は
うまく言えない気がし躊躇してしまった。
それが七海を不安にさせているとわかってはいたけど…。

俺を信じてといったのはそういう意味だったんだけど
そうだよな、伝わるわけないよな。

七海のことを考えると涙が出てきた。

情けないな。入院してたら何もできない。
会いたくても会いにも行けない。

スマホがなければ電話すらできないなんて。

七海は今なにをおもっているのかな。
俺のことまだ愛しているのかな。