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5.私が甘いの?
私の友達たちはみんな口を揃えて合う。
「努にこっちに来てもらえばいいじゃん!
そのぐらい七海のためにする覚悟がないと!」
いやーそうは言っても…
「努も親とか仕事とか病院もあるし…
あんまり言えない。」
私の親友の千佳は既婚者ですごく優しい旦那さんがいる。
私はおにーちゃんと慕っているし、
千佳は私より年下だけどおねーちゃんだと思ってる。
2人とも私と努が結婚するのをすごく楽しみにしてくれている。
「ほんとに七海は努に甘いなぁー!!
私のために来て!って言いなよ!!
七海は病気のことがあるんだから。」
「言えない。そこまでの自信ないもん。
それで追い詰めたくない。離れていくかも」
努を手放すぐらいなら自分が我慢する。
「七海はなんで自信ないのかなー。
顔だって元はいいし
今ムーンフェイスなだけでしょ!
そうじゃなくても男に困ったことないでしょ。
ほっといても男が寄ってくるから
モタモタしてると努捨てられちゃうよー」
「男に困ったことは無いけど
他の男には行かないよ!!」
「ハイハイ」
千佳は第六感が優れていてたまに
スピリチュアルなことを教えてくれる。
昔、占い師に私には祖母がついてて
守ってくれてると言われたけど
それを千佳にも言われた時は鳥肌が立った。
千佳には人を癒すパワーがあって
何故か会うと抱きしめて欲しくなる。
抱きしめられるとふと体の痛さが和らぐ。
その代わり千佳の体が痛くなる。
不思議だけど私はいつも癒されている。
女子トークに花を咲かせたいけど
私の気持ちは沈んだまま、
千佳が言うことはいつも正しくて
そのとおり!!!ってなるんだけど
いつものくせで、私が我慢すればいいという
結果をついつい出してしまうから
千佳はもどかしくなるようだ。
それでダメなら別れちゃえー!
いえーい!!
って、そのぐらいの勢いで行ければ良いんだけど
私にその勇気はないし
別れるなんて考えたことも無い。
やっぱり私が甘いのかな。
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