6.少しづつすれ違う2人

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6.少しづつすれ違う2人

努と付き合ってから2年の月日が過ぎていった。 相変わらず努は優しいし、私に甘い。 2年が経った今もほぼ毎日LINE通話で話をしている。 「今日は何食べるの?」 私はほぼ毎日そのことを聞く。 「今日は何にしよっかなぁー! 体重ふえるちゃうしなー」 「え、またひよるのかよ!ひよるなよ!」 努は一日1回しかご飯を食べない。 夜勤の仕事をしているから不規則だ。 だからその1食はちゃんと食べて欲しい。 努は私と同じ透析患者。 体重が増えるのを嫌がるのは私たちのテッパンだ。 2年経っても何も変わらない。 私の不安もいまだに封印している。 私は千佳に誘われて縁切り神社に行った。 効力は抜群で、旦那とはすぐに離婚できた。 旦那に好きな人が出来たからだ。 子供たちのことは心配だけど 何かあった時に受け入れる準備をしておけばいい。 きっと旦那のことだからちゃんとみてくれる。 私が離婚しても、努との関係は何も変わらなかった。 離婚したことはとても喜んでくれたけど だからといって来る気配もなく 私の病気も燻ったまま、月日だけが過ぎてしまった。 私たちはお互いに忙しすぎた。 透析が無い日は仕事をしている。 休みがないから不満もたまる。 お互いのことをゆっくり考える時間もなかった。 本音を言うのが怖くなって 私はまた同じことを繰り返していた。 少しづつ私たちはすれ違っていた。 私はそれに気づくことも無く 自分の限界がくるまで我慢し続けた。
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