プロローグ 人間になりたい、彼女たちの生き様

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プロローグ 人間になりたい、彼女たちの生き様

 相も変わらず人は過ちを繰り返している。大体の繰り返す者は、ごく一部の欲を拗れさせた者、権力を振りかざす者、利己主義の塊である事が多いとも言える。  そんな世の中に千年に一度、咲く花がある。  優曇華とよく似た、しかし花がごく稀に花開くウドゥンバラ。 西暦4021年  長らく続いた戦乱の世が終わり、人類は再び安定の経済界を再構築し始め、交代以前以上の繁栄を向けて邁進し続けて千年の時が流れていた。  人類の世界と大自然は隔絶され、都市部は無限とも思える成長を遂げつつあった。  そのような街の風景は、よくよく見ると暗部が見えていた。  それは人間の心の明暗を分けているようにも、見えていた。  その街に連なる、ビルからビルへ、住宅から住宅へ、屋根を飛び交うひとつの影があった。  その影はとある雑居ビルの屋上に着地し、サッと街を眺めては、少し郷愁の想いを感じた。  彼がかつて生きたはるか昔と同じ風景が、眼前に広がっている。  当時の相棒とも別れたのもそのはるか昔。  それが何年前の事かと誰かに問われて、答えても誰も信じないであろう年代であった。  男は暗い灰色のスポーティーな短髪に、両耳にビッシリと様々な形をした黒いピアスが連なっている。  全身の肌は病的に白く、身に纏った黒々としたジャケットなどで更に際立って見える。そして何よりも特徴的なのは、透き通った紅い虹彩の瞳。  人間には非常に珍しい、アルビノだった。  何とも言えない、得体の知れない気配を察知し、それに惹かれてその気配の方角を目指していた。
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