43人が本棚に入れています
本棚に追加
次の予定
「旅行楽しかったね、沢田くん」
「あ、うん【金剛力士像はもういいから、勇気を出せ、俺! このままだと夏休み中もう会えないまま2学期を迎えることになるぞ! 休み明け、佐藤さんにすっかり忘れ去られて『あれ、誰だっけ? 名前が思い出せない』とか言われたら、もう二度と立ち直れないぞ!】」
夏休み中に彼氏の存在を忘れるほど認知に不安は抱えてないよ。
でも2学期まで会えないのは寂しいなぁ。
私は恋人繋ぎで繋がった左手に意識を集中しながら、思い切って言ってみた。
「あの……さ。シンゴくんは勘違いしてたけど、私糖尿病じゃないから。
駅前にできたパンケーキのお店に行ってみたいの。沢田くん、一緒に行ってくれない?」
「えっ?【行く〜〜〜〜〜( ;∀;)良かった!佐藤さん、糖尿病じゃなかったんだ!それにしても、ボッチの俺をパンケーキ屋みたいなキラキラした場所にさそうだなんて!勇者か! いや、この癒やし系オーラは回復者か? 俺の彼女は天使な上に勇者かつヒーラー!】」
ロールプレイングゲームのキャストを一人でこなしている気分だよ。
でも喜んでくれてよかった。
「夜、メールするね。日程とか決めようね」
「……うん。
【もはや神〜〜✧◝(⁰▿⁰)◜✧】」
配役がまた一つ増えました。
最初のコメントを投稿しよう!