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退院はちょうど日曜日の朝で。
碧斗に付き添って貰う。
病院を出て、歩いていると。
向こうからこちらに向かって歩いて来る人物が居て。
それは、英二。
一体、私に何の用?と体が震えて、動悸がする。
息も苦しくなる。
「あんた、前にあの人と一緒に居た人だろ?
一体何の用だよ?」
碧斗は私を庇うように、前ヘ出た。
「少し見ないうちに、弟、さらに男を上げた?」
そう、英二はクスクスと笑っていて。
「―――碧斗、先に家に帰ってて」
「姉ちゃん?」
この人が用があるのは、私。
それに、英二が碧斗には聞かれたくない話をするかもしれない。
私が永倉二葉を殺した事。
お腹の子供の事。
碧斗は暫く英二を睨み付けていたが、
「…わかった」
そう言って、自宅のマンションの方へと歩いて行った。
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