その、時。

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「なぁ、英二。 どっか適当なホテルの前で止めろ」 「マジで、けっこう気に入ってるんですね」 永倉二葉と英二は、そう話していて。 二人の会話から、私はこのままホテルに連れて行かれるのだと分かる。 碧斗の為に、と思うけど、やっぱり嫌だ。 「お前、弟が居なきゃあ死んでたか?」 その言葉に、心の中で頷く。 この人に犯されて、もう死にたいと思った。 今だって、思っている。 連れて来られたのは、少し高そうなラブホテル。 英二がベンツをその裏口に止めると、私は腕を捕まれ永倉二葉に車から降ろされ、そのままそのラブホテルへと連れ込まれる。 永倉二葉が入り口のパネルで適当な部屋を選び、その部屋へと。 部屋に入り、大きなベッドへと無理矢理押し倒される。 「嫌、だ。 辞めて下さい…」 自分に覆い被さる永倉二葉の体を強く押すけど、逃げられない。 その二つの目で見下ろされる。 「さっさと、慣れちまえ」 そう言って、私の喪服を脱がして行く。 なんだか、その言葉で、抵抗する力が抜けてしまう。 永倉二葉の言うように、慣れてしまおう。 きっと、この先、私はこの人に何度もこうやって抱かれるのだろう。 早く、慣れてしまおう。 私は、ギュッと目を瞑った。
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