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知らせてもらっても、たぶん葬儀には行かなかっただろう。 私は悉く自分の家族を捨ててきた。夫と娘だけでなく、両親もだ。 私の父親は昭和ひと桁の生まれで古い考えの人だった。 高校を出てから働けと言われたのに反抗し、短大に進学した。保母さんになりたいという名目だったが、実のところは息苦しい家から出たかった一心で上京した。 狭いアパートを借り、バイトと奨学金でなんとかすると啖呵を切ったものの、授業料に生活費、家賃と出費は多く、それだけでは賄えなかった。 そんなことを見透かしていたかのように時々、母親がこっそり仕送りしてくれた。 しかし、結局その恩義も私は仇で返した。 短大二年目、バイトで知り合った人との子どもを身籠ってしまい卒業と同時に婚姻届を提出した。 夫を連れて実家に結婚報告をした時には妊娠五ヶ月に突入していた。 当然ながら、父親は烈火のごとく怒りをぶちまけた。 殴られて頭を下げる夫を見るのは本当に辛かった。
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