「あたしは、知りたい」

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「花咲咲夜が片付けられたのは、……ひと月前のことだと聞いたわ」  咲夜は突然、あたしの前から消えてしまった。  失踪、とか、そういうのじゃなくて。  殺された。  片付けられた。  国を背負う殺し屋に……掃除人に。 「どうして? 咲夜に、殺されなければならない理由なんて、なかったじゃない」  咲夜が殺されたのは、ちょうどひと月前の真夜中のことだったらしい。  あたしは現場を見ていないし、詳しい話も教えてもらえずじまいだったから、どんな状況下で咲夜が死んでいたのかは分からない。  だけど、まるで眠っているかのような顔をして死んでいたことは、棺に横たえられた咲夜の顔を見たから知っている。  現場に季節外れの真っ赤な彼岸花が残されていたから、これが掃除人による『片付け』だったと分かった、という話も。 「咲夜は、由緒正しき花咲家の娘。学業だって優秀で、茶道の世界ではこの歳でそこそこに名が知れてたって話じゃない。片付けられなくちゃならない理由なんて、どこにもなかった。存在理由がなかったなんて、絶対言わせない……っ!!」
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