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「……その前に、ひとつ、確認したい」
グラグラと煮える思いで胸が爆ぜそうになる寸前。
スルリと、気だるげな声があたしの耳に忍び込んできた。
「どこまで知っている?」
「……え?」
予想していなかった言葉に、気が抜けた声が漏れた。
こんな風に、確認を求めてくるなんて、思ってなかった。
あたしの要求を一方的に蹴ってくるか、あたしの要求に対する答えだけをポンッと渡されるか。
それで終わりだと、思っていたから。
ましてや相手の男は息をすることさえめんどくさそうにしてるくらいだから。
「事の真相について、どこまで知っているのか、と質問しているんだ」
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