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いつから世界がこんな風になってしまったのかを、あたしは知らない。
少なくとも、親の世代にはすでにこういうのが当たり前になっていたらしい。
増えすぎたから、減らす。
優秀な人材を優先して育み、不良な人材を優先的に切り捨てる。
「その前に、ひとつ、質問いーい?」
100年くらい前、この国は少子高齢化のために存亡の危機に瀕していたらしい。
だから時の政府はどーにかこーにかして人口を復活させた。
そんな内容は現社の時間に習ったけど、具体的にどんなことをしたかまでは授業じゃ教えてもらえなかった。
きっと、政府が主導でやったんならろくでもない方法だったんだろう。
じゃなきゃ今、その反動で人口爆発が止まらない社会を、こんな『間引き』みたいな方法で解決しているはずがない。
「あたしの要望って、どこまで通るの?」
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