第一幕 第1章 答えは誰の中にある?

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今日1日、ほとんどテストが返されるだけで授業が終わった。普通に授業されるよりも楽チンなはずなのに、なぜだかいつもの3倍は疲れている。 精神の打撃がすさまじい1日だった。 1年生1学期の期末テストがマシに見えるほど、全ての教科で点数が低すぎた。 中には赤点のものもある。 まずい。 このままじゃ本当に。 冗談では済ませられないレベルに達している。 「じゃじゃーん!」って、おちゃらけて親に見せられるもんじゃない……。 「勉強、するか」 普通、最初に思いつくべき解決策なんだけど、窮地に追い込まれるまで壁を伝って這い上がろうと思えないタチのあたしには、一大決心だった。 さて。 勉強。 これまで何度も義務感に駆られて部屋の本立てに鎮座している参考書を開いたことがあるけれど、さっぱり頭に入ってこない。 どれも途中で諦めてしまう始末だ。 そうだ、あれは参考書が悪いのでは? だって、白黒の文字でひたすら難しい解説ばかりしてくる参考書なんて、誰も読めないよ。 と、自分の理解力のなさを一般論と化し、だったら自分で分かりやすい参考書を買いに行こうと、下校途中にある小さな本屋に向かったのだ。 それが、全ての始まりだった。 あのおかしなモノに、出逢ってしまったのは。
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