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秋の別れ
小さい頃から俺の面倒を見ていてくれたあいつが消えた。
毎年のように大勢の仲間達と集まって、会議をして大騒ぎをして、それから都に帰った後のこと。それからあいつの姿を見なくなった。
もしかしたら、あいつは俺を育てるという自分の役目は終わったと思ってここから立ち去ったのかもしれない。
でも、それにしても、どうして俺になにも言わずに帰ってしまったのだろう。
あいつの住処は知っているので会いに行きたいけれど、忙しくてなかなか仕事の隙を見つけられない。
いざ毎日会えなくなってみて、まさかこんなに会いたくなるなんて思わなかった。
ずっと一緒にいたあいつに、もう少しだけ側にいて欲しかったというのは、俺のわがままだろうか。
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