へーんしん（完結）

　泣いていたらピコンとメールが届く。

　Blancちゃんかな？！
　期待してスマホに飛びつくと、藤木からだった。

　写真が貼付されていた。

　見た瞬間、頭に血がのぼりスマホを叩き割りそうになった！

　メールの内容は以下の通り

　ポスターの写真、送るの忘れてた。
　明日の正午から会場のホテルのラウンジで支配人と打ち合わせしてくれ。ランチをご馳走してくれるそうだ。
　15：00時からのＴ大病院のコンサートへはホテルの車で送迎してくれる。
　もちろんスウィートルームは用意してくれたよ。しかも！インペリアルフロアのデラックススイートだ。
　今度こそBlancちゃんと幸せにな！

　悪いが俺は用事があって行けない。
　おまえにすべて任せる。
　成功を祈る！

　〜　〜　〜　〜　〜

　何という身勝手さ！
『エブリスタの片隅に咲く〜』だと？！

　俺に断りもなく
　なぜエブリスタの名前を出した？！

　そもそもエブリスタ事務局に了承も得ず勝手に身バレしたら俺はどうなるんだ？！追放だろっ！

　しかも若い俺の写真を使い！

　藤木の野郎、絶対に許さん！

　くそっ！

　こうなったら俺にも考えがある。

　今何時だ？
　もう９時半か・・・

　いや、まだイケるかも！

　俺は変身するための呪文を唱えた。

　フィアント・デューリ
　パーティス・テンポラス
　エクスペクト・パトローナム
　アクシオ！