へーんしん(完結)

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 そう思っているとスマホが鳴る。  職場の外科部長からだ。 「緊急オペ。患者は16歳の男子高校生。すぐ来い!」  ぅわ・・どうする・・この体!  しゃーねー。  開き直り俺は病院へ向かう。 「何か用ですか?」  通用口で守衛に咎められる。  身分証明書を見せる。 「西です。ちょっと若返っただけです。緊急オペなんだ。」  守衛は目をしばたたかせたが通してくれた。  スタッフは怪訝な眼差しで俺を見たが、俺がいつも以上に手早く準備を進めていると、皆、納得したのか手術は開始された。  若い俺の体は疲れを知らず目は霞まず、完璧な精度で敏速にオペを成功に導く。  使えるな・・・この魔法!  経験を積んだ頭脳に若い身体、ベスト・マジシャンは医療にこそ役立たせるべきものだ!  術後、俺は誰の質問も受け付ける前に速やかに帰宅。  間もなく夜が明ける。  短時間だが、ぐっすり眠る。  
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