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その一方で、母方の叔父を私は尊敬している。彼は優しく面倒見もよく、頭もよく仕事もできて、ある商品メーカーの開発部に所属している。
「日本全国…今や世界各国で愛されているそれは、私の叔父が生み出したものです!」
取り柄のない私の唯一の誇りだ。そりゃあもう、声高に叫びたいほどの。
姪にあたるのだから、間違いなく彼の血も受け継いでいる。
遺伝子レベルの嫌な部分と誇れる部分。
もう少しだけ、配分が違っていてくれたら。
私に絶対音感があって、“あの時”に私の方が正しいと自信を持って言えていたなら。
もう少しだけ、調律できていたなら。
今とは少し違う人生を奏でられていたのかもしれない。
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