1人が本棚に入れています
本棚に追加
横顔
八田菜月の毎日は、弟の響を中心に回っている。
朝は弟の体調チェックに始まり、持ち物や課題の確認、朝食の準備、弁当作りなど、やることは多い。そして学校が終わると彼と共に帰宅し、母親の家事を手伝う。両親に、お前が響を守りなさいと小さい頃から言われ続けてきた。それに菜月としても、病弱で一個下の可愛い弟の面倒を見ることは苦ではないと考えていたのだ。
弟と学校は一緒で、弟は1-C,菜月は文系の2-Aだった。もちろん、菜月にも友達はいる。
菜月は、言ってしまえば弟以外興味を持たなかったのだ。彼女を見るまでは。
最初のコメントを投稿しよう!