ライバル

5/11
前へ
/130ページ
次へ
「真希…。」 そう言って私の手をそっと包み込んでくれたのは、春樹だった。 警察の人との話を春樹も聞いていたから… そして、私の様子から察しが良い春樹はすぐ理解したようだった。 「真希…あっちにある書類をしていてくれないか?僕がこっちの対処をするからさ」 そうゆうやいなや、私の返事も聞かずに 春樹は、彼女さんに書類など話をしに行った。 先生達はかなり慌しくなっていた。 景介はかなりの重症らしい。 親御さんと連絡がついたようだった。 私は…まだ紹介されたことがないから こんな形で景介の親を知る事になる。 彼女は…どうなのだろう…。 命の狭間にいる景介を心配する事もなく… 私は…わからない恐ろしい感情が湧き上がっている。 きっと今の私は、鬼に近い心かもしれない。 鏡を見れば…牙の一本…生えているかもしれない…な。 景介の件は、春樹に任せて 春樹から任された違う書類を整理する事に集中しようと努力した。 ふと時計を見ると、 景介が運ばれてから3時間は断つ。 今日は、土曜で診察時間は終わっていて、 事務は、帰る支度を始める事になった。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加