ライバル

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706号室の前に止まり春樹は鍵を鞄から取り出して ガチャっと鍵を開けて、扉が開かれた。 私は、春樹のその動作がとても 丁寧でスローモーションに動いてるように見える彼をうつろな眼差しで笑みを浮かべながら ジーっと眺めている。 私が…私…じゃないような。 異様な感覚がまた、私を包み込んできたのがわかった。 だけど自分ではどうにもできなくて、 思考回路が回らない。 部屋に入ってしまったら。何かいけない気がする。。 …おうちゃん…。お…うちゃ…ん。 私は、無意識に心の中でおうちゃんの名前を 何回も呼んでいた。
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