愛しい時間

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「いつか、また瑠衣の側で生まれ変わったら、今度は一緒に選ぼうね」 「いつか?」 「そう、ずっと先かなあ。会えたらいいなあ。あ、会ったらまた謎解きしようね」 「その前に結婚しようよ」 「あ、それもそうよね!!」 「もうっ、それが一番大事なことだろ?」  つまらない冗談に必死に笑って、美羽の顔がぼやけてしまわないように涙を拭う。    「もう少しだけ、私のこと愛しててね」  キャンドルの芯が燃え尽きてしまいそうだった。  それが燃え尽きるまでとでもいうように、儚げな顔をして炎を見つめていた。  まるでこのキャンドルの灯が美羽自身のようで。 「もう少しだけなんて言うなよ、愛してる、何度生まれ変わってもまた君を探すから」 「それ、最高のプロポーズね」  お互いを求めあうように指と指を重ね合わせて手を握る。 「ま」と言いかけた美羽の泣き笑いが、炎で一際大きく煌めいて。  そして、辺りは静寂と暗闇に見舞われた。  テーブルの向こう側、白いブーケだけがぼんやりと見える。  彼女がそこにいたことを証明してくれているように――。 「また、いつか、ね」
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