32人が本棚に入れています
本棚に追加
「いつか、また瑠衣の側で生まれ変わったら、今度は一緒に選ぼうね」
「いつか?」
「そう、ずっと先かなあ。会えたらいいなあ。あ、会ったらまた謎解きしようね」
「その前に結婚しようよ」
「あ、それもそうよね!!」
「もうっ、それが一番大事なことだろ?」
つまらない冗談に必死に笑って、美羽の顔がぼやけてしまわないように涙を拭う。
「もう少しだけ、私のこと愛しててね」
キャンドルの芯が燃え尽きてしまいそうだった。
それが燃え尽きるまでとでもいうように、儚げな顔をして炎を見つめていた。
まるでこのキャンドルの灯が美羽自身のようで。
「もう少しだけなんて言うなよ、愛してる、何度生まれ変わってもまた君を探すから」
「それ、最高のプロポーズね」
お互いを求めあうように指と指を重ね合わせて手を握る。
「ま」と言いかけた美羽の泣き笑いが、炎で一際大きく煌めいて。
そして、辺りは静寂と暗闇に見舞われた。
テーブルの向こう側、白いブーケだけがぼんやりと見える。
彼女がそこにいたことを証明してくれているように――。
「また、いつか、ね」
最初のコメントを投稿しよう!