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私、エノオレア・シュヴァルスキー侯爵令嬢8歳は気づいてしまった。
私には前世というものがあり、それが日本という国の25歳の女性で、会社帰りに車に惹かれて命を断ったことを。
そしてそれが日本の世でいう異世界転生のよくあるフラグであった、ということを。
だから私は混乱している。
「どのゲームか、どの漫画か、どの小説か、わからん。この世界がなんのやつか…わからん!!!とにかく!終わった!!」
勢いよくベッドから起き上り、そう叫び、青くなって倒れると、エノオレアに付き添っていたメイドが慌てて医者を呼びに部屋を飛び出していく。
8歳の小さな脳みそに注ぎ込まれる25年分の記憶の海で私は溺れていく。
私の、名前は、斉藤七(ナナ)…。
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