おんせん

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 そうして、自室にて用意された食事に舌鼓を打った。  テレビを見るのにも飽きたので、腹ごなしに旅館内をうろついていると古びた卓球台を発見。早速、プレイすることにしたが…。おれと兄貴では体格差がありすぎるし、どうハンデをつけるか悩んでいるとOLらしき二人組に声をかけられた。  そのまま、四人で交代しながらのダブルス戦を開始。なかなか、食後のいい運動になったと思う。去り際に彼女らが兄貴に向かって、「いつまでもお兄さんと仲良くね、ボク!」と声をかけた。いつものことだが、兄貴の方が弟だと思ったらしい。まあ、当然だろう。  兄貴も慣れたもので、おれの弟になり切って返事をしていた。ちょっとコナン君が猫被ってるみたいで、可愛いなと思う。  「さて『お兄ちゃん』、さっきの人達見た?ずーっと、みな君のこと見つめてたよ。最初っから、みな君が目当てだったみたい。『お兄ちゃん』がイケメンでモテるから、弟としては鼻が高いなあ」  そうなんだ。浴衣からはだける、兄貴の胸元と太ももしか見ていなかった。と言うか、今の「お兄ちゃん」呼びもちょっと可愛かった(何をしても可愛い)。後日、そう言うプレイとして是非お願いしたいところだ。  「それじゃ汗もかいたし、寝る前にもう一風呂浴びて行こうか?」
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