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今年の六月で結成八年目。八周年記念ライブチケットの完売をヒカルが動画で報告していた。そういえば、全員年齢は非公開らしいが、仮に二十歳前後で結成したと仮定すれば二十八、九。案外若くなさそうだ。
コドクというバンド名は孤独と蠱毒のダブルミーニングらしい。音楽のコンセプトは『オルタナティブ・ペイン』で、時の流れにとらわれないニューエイジロック。
全部なんのこっちゃと思いながらも、公式ファンクラブのリンクに飛び、速やかに入会の手続きを済ませた。年会費八千円也。
ちょっと気に入るとすぐ沼に足を踏み入れる悪癖は自覚しているが、この時点でまだ曲をほぼ聴いていないことには我ながら呆れた。
そう、彼らの配信チャンネルは非常にバラエティ色が濃い。クイズやゲーム、全力で隠れんぼ、闇鍋等。勿論BGMとして彼らの曲は流れていたのだろう。が、あたしの目も耳も始終ヒカルに釘付けだった。
ヒカルはどの動画でもよく喋りよく笑う。すこぶる可愛い。まあお喋りに関して言えば、敬語じゃないいっちゃんをはからずも堪能したような、少し複雑な気分だが。
ところで、男子が集まって無邪気に戯れている様子は、何故かくも微笑ましいものなのか。多分一生観てられる、と口許を緩めたが最後、気付けば丑三つ時を過ぎていた。
これ以上はイカンと思った頃にMVを見つけてしまい、今度は彼らの音楽に触れた。ハードでヘビーなのにメロディアス。抒情的なのに破壊的。そのアンバランスさが痺れるほどかっこよくて、顎が外れるかと思った。
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