『然人』についての歴史の歩み

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『然人』についての歴史の歩み

『然人』今回は彼らについての歴史を記したいと思う。だが語る前に一つだけ伝えたいことがある。『然人』の歴史は断片的な箇所が多い。信憑性が曖昧な記入もあるため。今回はわかっている限りの真実を書きたい。では、始める。まずは、 『然人』が『然獣』と恐れられた時代からだ。 はるか昔『稀星』では、自然を操る種族『然獣』が人口の大半を占めていた。彼らは、人の姿をしていたり、獣の姿をしていたりと『稀星』を蹂躙していた。しかし、時が過ぎ『然獣』同士で争いを始めた。縄張り争いと記せば分かり易いだろう。 『然獣』同士の戦いは熾烈を極めやがて獣は絶滅。残ったのは『然獣』の人々だけと語られる。 獣と人の関係 その箇所の文献は今現在発見されていない。残った『然獣』の人々は様々な土地に移動して各地暮らしていた。それから時が流れ『然獣』は他の種族に捕獲・乱獲されるようになった。理由はただ一つ。『然獣』の特殊な能力を人々が欲したからだ。『然獣』の力である自然の力は、さまざまな用途で効果を発揮できると信じられていた。そのため『然獣』を捕らえ、人体を解析するのに躍起となった。しかし、『然獣』の力は強大であるため、他の種族では太刀打ちできない現状が続いていたため、最初の頃は無駄骨だった。だが、ある金属が発見、分析されたことで現状が一変した。その金属は、自然のエネルギーを抑圧吸収する力を秘め、他の金属よりも加工鋳造が容易なのだ。その金属を『抑然岩』又の名を『殺然鉱』と呼ばれた。この金属が出回ったことにより、『然獣』の絶対性が壊れた。他の種族は、この金属を含めた武器を手に『然獣』を捕らえた。『然獣』の力を解明し、書物も増えてきた。この現状が続くと誰もが思っていたが、次第に『然獣』を捕らえる行為が非難を浴び、捕獲行為が減っていった。そして、ある一人の権力者の訴えにより『然獣』の名は、『然人』と改名された。その権力者の語ることによれば、『自然の獣ではなく、自然を纏う人。その名がしっくり当てはまる。今日から彼らは、獣ではなく人として共に私たちと生きるのだ。』と公の場で宣言した。 かくして、『然人』としての歩みを始めたのである。『然人』のその後の歩みは今のところ謎である。『然人』は深い森の中でひっそり暮らしていると語られる。いつか『然人』は、他の種族と交流を育めるだろうか?それはわたしにもわからない。いつかきっとそんな未来が来るのだろうか?わたしも神に願ってしまう。
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