サプライズプレゼント

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 * 「はぁ、間に合った」  花音と二人、開始時間ギリギリにチャペルへと滑り込む。思わず口をついて出た言葉が予想外にチャペル内に響いて、すでに着席していた参列者は一斉にこちらを振り返った。  咲は慌てて口を抑え、バツの悪さに花音を見上げた。花音はクスリと笑い、しーっと唇に指を当てる。それから、咲の手を取り、入り口から向かって左側へと歩き出した。 「おーい、武雄っ」  こちらを振り返った参列者の一人が親しげな声を上げ、手を振った。 「宮田さん……」  その声のほうを見、花音がつぶやく。 「お知り合いですか?」  咲は今度は声が響かないよう、声をひそめて尋ねた。 「うん。元同僚」  花音はそう言って宮田に軽く会釈を返した。そのまま咲の手を引き、宮田がいる側とは反対の一番後ろの席へと着席した。  チラリとバージンロードを挟んだ向かいの宮田を見れば、彼は周りの人たちと何事かを話をしている。きっと宮田の周りにいる人たちも花音の元同僚なのだろう。チラチラと興味深げに向けられる視線が痛かった。  それにしても、先ほど声をかけてきた宮田も、その周囲の人々も一様に体格が良い。しかもみんな凛太郎を凌ぐ強面ばかりだ。  ──お花屋さんって、体格が良くないとできないのかな? しかも強面って。  咲の思い描いていた花屋のイメージとはだいぶ開きがあった。 「どうかした?」  咲の疑問が顔に出ていたらしく、花音が小声で尋ねる。
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