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私の吐息が白く見える、そんな冬の訪れを報せる夜。
夜空には青く光る満月
「綺麗な月ね…こんな雨も寒さも、全部私達をお祝いしてくれてるみたい」
降りそそぐ雨
私の顔に流れるのは雨か涙か…
それすらも分からなくなる程動かない私達、いいえそれすらも幻想
だってアナタは応えてくれるもの
「ーーーーーーーー」
でも、その応えは私にはトドカナイ
あぁ、神様がいるとしたらどんなに意地悪なの?
アナタを抱く私の手に流れている赤い雨
赤い、紅い雨の筈なのに私に降りかかる雨はとても冷たい涙のようで
あと少し、
もう少しだけ、
ほんの少しだけ、
アナタと話したかった。
アナタに愛して欲しかった…
でもそれは、もう、叶わない事。
でも大丈夫、きっと心配ないわ…
アナタが応えてくれなかった事は今までもあったし、私も応えてあげられなかった。
きっと悪い狐に化かされたのよね、でもそれも今日でオワリ
そんなキツネも懲らしめたわ、でも不思議。
さっきから真っ赤な光が私達に近づいてくるの
もしこの光が終わりの訪れだとしたら、そんな事を思いながらアナタと同じ空を見る。
雫から粒へ、やがて結晶へと変わりゆく白の奇跡の下動かなくなったアナタ
この永遠が終わる、それまで。
もう少し2人の永遠の時間を私にチョウダイ?
紅く染まるアナタの証を手に、混ざり合えない雪と共に散るワタシの永遠を…ジャマシナイデ?
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