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「はぁ・・・!!はぁ・・・!!はぁ・・・!!はぁ・・・!!」
瀕死の母トラのトミィは、開発で切り開かれたジャングルの中を駆け抜けた。
身体は銃跡と擦り傷で全身を血塗れにして痛みを堪え、目を血走らせ、しかめっ面をして、息絶えだえに荒い呼吸をしながら。
ジャングルの中と言えども、人間のプラント開発の為に切り開かれた場所が幾つかあった。
ダーーーーーーン!!
「やばっ!!姿が丸見えだわ!!」
母トラのトミィは、人間に狙われていた。
トラの毛皮を捕る密猟者の銃が、常にトミィに向けられていたのだ。
自然保護官の目を盗んでやって来た密猟者は、悪徳毛皮商の雇われハンターだった。
悪徳毛皮商から裏取引されたトラの毛皮は、世界各地の富裕層にジャンジャン買われていた。
そんな価値のあるトミィの美しいトラ柄の毛皮も、無数の血痕によってグロテスクな醜態を晒していた。
すっ・・・!!
「あうちっ!!ジャングルの蔦が私の傷をかすめた!!
でも構わないわ!!
私のお腹の中の我が子が無事ならば・・・」
母トラのトミィのお腹は、まるでアドバルーンのようにパンパンに膨れていた。
お腹の中には、数匹の赤ん坊トラを身籠っていたのだ。
「神様・・・あと少し・・・あともう少し私を生きさせてよ・・・!!
誰にも・・・人間どもに邪魔されない場所で、心を安らげる場所で、我が子を産みたいの・・・!!
そして、私の乳を我が子に飲ませられるまで・・・!!」
母トラのトミィは涙を流して、鉛色の空を見上げて祈った。
走りを決してやめず、満身創痍に我が子を産める場所を目指して・・・
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