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宇宙人との共存
「長官、遂に明日ですね」
「ああ、楽しみだ。仲良く暮らす事が出来るだろうか」
5年程前、宇宙の遥か彼方から、我々は電波をキャッチした。何らかのメッセージである事は間違いないと感じたのだが、言語が分からず解読に時間を要したものの、徐々に内容が分かってくる。
その内容とは、メッセージを送ってきた彼らが暮らす星で戦争が起こり、星全体が壊滅状態に陥った為、命からがら脱出したとの事で、我々の星に50人を住ませて欲しいというものだった。
元々、我々の星が生物の暮らせる環境だと彼らは確認していた為、移動時間の約5年間を50人程度で生活出来るだけの準備は出来ていたらしい。
そして、遂に明日、彼らが我々の星に着陸するのだ。
しかし、私には懸念がある。彼らは、星を壊滅状態にする程の戦争を行なう野蛮な種族だという事だ。更に、その科学力は明らかに我々を凌駕している。移動中に交信を行なった限りでは友好的な感じだが、豹変する可能性も0ではない。何事もなく共存できるのであれば喜ばしい限りだが……。
翌日、空港に彼らの宇宙船が無事着陸した。我々は盛大な歓迎式を行なう予定だったのだが、その時!
パァン!
「手を上げろ!」
宇宙船から降りるなり、1人の背の高い男性が空へ向かって発砲した後、叫んだ。
「今日から、お前達は我々の奴隷として扱う! こちらのジョン様がこの星の王になるのだ! 従わない者は殺していく!」
背の高い男性はジョンという小太りな男性を王にしろと言ってきた。周りの仲間も武器をこちらに構えている。我々が丸腰だという事に気付き、強気な態度に出たのだろう。
すると、長官は見る見る巨大化した。
「うわあああ~!! 化け物だ~!!」
強気な態度から一変し、彼らは叫び、逃げ惑う。
ブオオオオー!!
「ギャアアアー!」
長官は逃げ惑う彼らに躊躇無く炎を吐いた。彼らは一瞬で丸焦げになり、辺り一面が焼け野原となった。
我々は龍人族。時代の流れと共に、龍に変身出来る者は少数になってきた上に、身体への負担が大きい為、龍への変身は滅多にお目に掛かれないが、長官は気にせず変身し、 彼らを皆殺しにした。
長官は、ゆっくりと人の姿に戻ると、ふ~っと大きな溜め息をついた後、言う。
「やはり、彼らチキュウジンは野蛮な種族だったか……」
了
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