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第1章 居酒屋
麗子の仕事が終わる時間を逆算して少しだけ早めに居酒屋に向かった筈なのに、居酒屋に着いた時には麗子は既に来ていて、四人掛けのテーブルに座り、焼き鳥を片手に生ビールのジョッキを傾けていた。
素知らぬ顔でそのテーブルに向かい、麗子には何も話しかけないままで対面の席に腰掛ける。
「とりあえず生中(なまちゅう)!」
店員さんに注文しながら麗子が食べている焼き鳥を一本手に取り、運ばれてきた生ビールをぐいっと飲む。
「くぅ~っ! この一杯が堪らないのよね!」
満面の笑みで麗子に話し掛けた。
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