第1章 居酒屋

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「本当、堪らないよね。……って、アナタ誰?」 口はあんぐり、目は大きく見開いたままの麗子。 残り三本となった焼き鳥のお皿を私から遠ざけながら、取られまいと腕組みをして被せ、まるで不審者を見るような表情を浮かべている。 (マジで? 麗子ったら、私に気付いてないの?) 「えぇっ? 私よ、私。道子よ」 勝ち誇ったような口調にならないように、極めて冷静な態度を装いながらそう答える私。 「……えっ、道子?」 舐めるような視線を私に向け、上から下まで何度も確認する麗子。 その様子にこれまたびっくりする私。
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