おじいちゃんが死んだ

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 翌朝、予定では六時起き。実際は六時四十五分起き。  準備の要らないお父さんはゆっくりコーヒーを飲んでたけどお母さんと私はそうもいかない。  歯磨き、洗顔、喪服への着替え、髪をまとめて化粧して。悲惨なことにお母さんと私のストッキングが伝染していて、若いからという理由で私が走って買いに行くはめになった。  許さないと恨みながら帰ってくると、叔父さんがもう来てるらしいから早くしろと言われた。いや、感謝を言え。そして叔父さん二十分以上も早く来るなよ無理だわと悪態をつきながらも、頑張って用意した。  車に乗っている人数は六人。運転手の叔父さんと両親と私。それにおじいちゃんの弟夫婦が二人。  おじいちゃんと仲が悪いおばあちゃんは頑として行かないの一点張り。お母さんがなんて言っても行かない以外の言葉を言わなくて、お母さんが折れた。 「くそじじいの死に顔なんて見てどうする」  おばあちゃんのその一言でどれだけ仲が悪いか再確認して笑ってしまった。  そんなこんなで六人が乗る車を走らせること十五分。火葬場に着いた。  駐車場に車を止めると既に霊柩車が着いていた。別の車で向かってた叔母さんと従兄弟二人は少し後に到着。両側に並んでおじいちゃんが入った棺桶を迎える。棺桶の後ろをついて行くと小さな部屋に着く。  そこで棺桶を開けて、お坊さんにお経を読んでもらい最後のお別れ。
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