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「せや、お父んとお母(か)んが言うとったよ陸。
単眼族…
あかん、砂漠船団やね今は。
砂漠船団と講和結ぶて。
もう二度と、身分や家柄や種族で領民を差別したりせえへんて。
元の世界に帰れる目処がつくまで、陸には領内の警備隊長やって貰うて。
警備隊長やよ警備隊長。
太閤さん程やあらへんけど大出世やん。
せや、あの御人形ユリコちゃんのお土産にしたったらええ。
せやさかい…
はよ目ぇ覚まさんかいあほ。
1つ、気力に缺(か)くる勿かりしかやよ陸…」
いつしかうっすらと涙を浮かべながらイラブー。
窓から仄かに注ぐ月明かりが、イラブーの頬に流れる銀の小川を照らし出していた。
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