経緯。

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「そ、其は…」 亜美にそう尋ねられるや、一重がつい言葉を詰まらせてしまうのも無理はないだろう。 如何に直接戦った事がないとは言え、領主夫妻はつい最近まで敵対していたテイルウィップの領主夫妻、すなわちかつての敵地のトップなのだから。 (何でそんな事を聞くの? ! まさか、陸ちゃんをマルーン姫の婿に!? 冗談じゃないわ! 陸ちゃんには奥さんもお子さんもいるのよ!) 心の中で一重。 理屈ではなく直感で、一重はそう察したのだ。 しかし其も一瞬。 様々な想いがその胸中にて交錯そして衝突を繰り返し、やがて1つの決断が一重の口から世に放たれる。 「陸ちゃん、もとい、陸攻さんと私は… …将来を誓った仲です」
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