経緯。

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シャロンの話では、クラカヂールの機銃掃射を防御魔法で防ぎながら、転移魔法を使って逃げられてしまったという。 大魔導師ティア=プラートに代表される友軍で魔法に長ける者たち、そしてチコロス傭兵団に捜索を依頼してはいるものの、その行方は未だ掴めてはいないのだ。 不死魔術師ステルゲンは並のアンデッドとは格も魔法の実力も違い過ぎるリッチ。 もしも自分が彼の立場であったなら、人目につき難い場所に潜伏し逆襲のチャンスを窺う。 そして、数の暴力にモノを言わせるが如くアンデッド軍団に一集落を包囲させ、人も物も建物もまるごと人質に取る戦術も厭わない… (此では支那兵の清野戦術ではないか… ホンさん、岩ちゃん、笹やん。 こんな恐ろしい事を平気で考えられるようになっちまった俺は、恐らく靖国ではなく地獄行きだよ…) 心の中で陸攻。 ボードバレー峠を越えテ伯爵邸に向かうキューベルワーゲンの後部座席で、陸攻はそんな事を考えていた。 イラブー奪還作戦成功翌日夜の一幕である。
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