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大魔導師ティア=プラートの一番弟子アルファ=マイルストン。
魔女歴600年を誇る大魔導師に師事する彼女が見るに、陸攻の局地的な記憶喪失はテ領主シゲヒサとの決闘だけが原因ではない。
一番考えられるのは、陸攻が無意識の内に自分で自分に課している罰。
生死がかかっていたとは言え自らのチカラを人を傷つける為に使った事を、自分で自分を責め続けているのではないか。
陸攻が自分で自分を許そうとしない限り、如何なる凄腕の魔導師も陸攻が自分で自分に課している罰を解くことは難しい。
無理に記憶を抉じ開けようとしようものなら、陸攻は良くて別人悪くて廃人。
アルファはそう見ている。
何度考えても、そんな仮説しかも有力な其に行き着いてしまうのだ。
そうであるが故に、現在の陸攻にとっては十中八九大きな衝撃となるであろうペアやアハトアハト団員そしてマイルストン一家との接触を認めるなど、今のところとは言え到底出来はしない。
頼みの綱はアリーム氏とムジーフ氏。
陸攻の兵学校時代そして海軍時代を体験として知らない2人なら、陸攻の受ける刺激は最小限に留められる見込みが最も高いに違いない。
アルファはそう考えている。
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