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「!!!
な、なんやて!?
イチビっとうなら(ふざけてるなら)しばくで自分!」
昼下りのゴタイソー伯爵邸に響く、領主イヴァールの叫び。
そんな彼の真向かいに座る同い年位に見える男性の名はアロナス=ザイモック。
苗字から分かるようにルー大陸北側に領地を持つ、林王の二つ名で知られるザイモック辺境伯その人であった。
彼はイヴァールの第1夫人ブーナの実兄。
ゴタイソー領を訪れるのは1年ぶりである。
数ヵ月前イヴァールが第1夫人ブーナと約束した、総檜作りの浴室の材料となる檜材を届ける為のキャラバンに同行したのだ。
其はイヴァール夫妻を大いに喜ばせるのと同時に、檜材のみならずイヴァールが取り乱さずにはいられなかった程の報せをも、届ける事になったのである。
「まんずは落ち着けイヴァール。
ここでおめがこしゃいでも(怒っても・怒鳴っても)何にもなんねど?
ほんず(ばか・愚者)共に突け込まれる隙さ与えるだけだなや」
イヴァールをゆっくりと諭しながらアロナス。
そして話を続ける。
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