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「あほ…
自分かて困るやんか。
自分領主やで領主…」
「おめもでねか」
御互いに苦笑しながらイヴァールとアロナス。
あほと言いはしたものの、イヴァールは自分そっちのけで領民を気遣えるアロナスを尊敬している。
そしてアロナスはアロナスで、驚きからいち早く立ち直り自分そっちのけで相手を気遣えるイヴァールの胆力を尊敬しているのだ。
ブーナに言わせると、2人は似た者同士だそうである。
「不敬な言い方やけど、今の国王陛下は戦に向いてへん。
はぁ…
せめてラミレス殿下がゴンタやあらへんかったらなぁ…」
「そだな…
まんず御国が一枚岩になんなきゃ話になんね…」
「いよいよの時は、懐に誘き寄せて補給線ズタズタにしたって、各個に包囲殲滅するしかあらへんな」
「そだな。
其しかねなや。
問題は相手がその手に乗るか、だな…」
「ぶっちゃけ、コカリチュア皇帝の二番煎じやさかいにな…」
苦笑交じりの辺境伯対談は続く。
いつしか其に溜め息が加わりつつあった。
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