波及。

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  元々並外れた適応力を有しており、其を戦果と同じくらい上官たちから高く評価された事もある陸攻。 そんな彼の事であるから 一度慣れてしまいさえすれば、砂漠地帯での暮らしは苦労若しくは苦痛と表する程ではなかった。 砂漠に於ける暮らしの中で切っても切れない苦労の1つに慢性的な水不足が挙げられるが、陸攻に限らず艦隊勤務の経験を有する海軍軍人にしてみれば、苦労ではあっても苦痛と表す程の事ではないのであろう。 因みに陸攻、駆逐艦電そして航空母艦加賀乗り組み時代には、仲良くなった兵下士官直伝の知恵と誰が呼んだかサカサギンバイを駆使して、見事日頃の水不足を乗りきっている。 また、無い無い尽くしの言葉そのものであった南方戦線暮らしでの経験も、思わぬ形で陸攻の砂漠暮らしを支える一因となっていた。
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