6人が本棚に入れています
本棚に追加
「いいから早くしなさい!
陸ちゃんはまだこっち向いちゃダメ!」
一糸纏わぬ姿で居間に現れた少女を叱りつつ、半ば無理矢理に服を着せながら一重。
元々服を着る習慣がないドラゴンとはいえ、人族の集落に其を持ち込まれては流石に同行者が堪らないのだ。
ましてや人族の姿となったラミアスは、頭にチョコンと生えている一対の角以外、どう見ても12歳位の人族の女の子にしか見えないのだから。
因みに嫌々ながらとはいえラミアスが一重の言うことを聞くのは、彼女が竜化を考えた瞬間一重が其を察知し、ラミアスの竜化を封じる術を心得ているからである。
亜美は当初、着用させる事で相手を絶対服従の支配下に置ける『隷属の首輪』なる道具をラミアスに着けてはと助言したのだが、陸攻と一重は口を揃えて其の使用を強く拒否したのだ。
そんなものを使ってしまったら、あの及川悟と同類になってしまう、と。
口にこそ出さないものの、ラミアスは2人のそんな人柄を内心高く評価している。
だが…
最初のコメントを投稿しよう!