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イケメンと平手打ち
はぁ、どんな顔で優馬に会えばいいんだ。
翌日、駅から大学への道のりを歩きながら考える。男とホテルから出てくるとこ見られたんだもんな。キモいと思われたかな。
それならそれでいいか。もう構われなくなる。
「絢斗…はよ…っ」
「優馬…おはよ。!!お前その顔どうした?」
優馬のイケメン顔、頬が腫れている。どう見ても手跡だろ。
「はは、なんでもねぇ。じゃ、俺…急ぐから」
優馬は腫れた頬に手を当てて、そそくさと去って行った。
なんだよ…どうしたんだよ。やっぱり軽蔑されたかな。
そんな事を考えながら席に着く。後ろの席の女の子達が小声で噂話をしていた。
【ねぇ、聞いた?加賀谷優馬くんってすごいイケメンいるじゃん?】
優馬の名前に絢斗の耳がダンボになる。
【あのミスキャン候補の彼女と別れたらしいよ】
【えー!マジ?私にも脈あるかな?】
【キャハハ、ミスキャン候補でもダメなんだから無理だってぇ】
【頬、思いっきり叩かれたらしいよ】
【あのイケメン潰すなんて許せないぃ、キャハハ】
別れたのか…それにしてもミスキャン候補なんて、やっぱすごいな。あのイケメンの隣には美人がよく似合う。頬…痛かっただろうな。
何かあったんだろうか…まさか俺のせい…な訳ないか。ノンケに期待なんてしちゃいけない。
ゆうまに連絡しようかなぁ。でも…甘えられないよな。きっと忙しい人だ。
「絢斗!」
「優馬…頬の腫れ、だいぶ引いたな」
「ああ、心配かけて悪かった」
「大丈夫なのか?彼女と別れたって、女の子達が噂してた」
「マジか…なぁ、絢斗。今夜こそ飯行こうぜ」
「……」
「また…八坂悠真さんと会うのか?ホテルか?」
「お前…何でそれを…」
「ちゃんと話しないか?」
「わかった…」
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