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優馬と食事の約束をした後、絢斗は悠真に電話をかけた。
【もしもし、悠真?】
【やぁ、絢斗…】
【悠真…こっちの優馬と話したの?】
【ああ…まぁ少しね】
【彼がどうかしたのかい?】
【彼女と別れたって…ちゃんと話そうって】
【そう、なかなかやるな…絢斗、ちゃんと話すんだ。何かあったら私がいるからね?】
【分かった。あなたがそう言うならそうする。忙しいのにごめん】
【いいんだ。じゃ】
「絢斗、お待たせ。行こうぜ」
『おい、加賀谷優馬!絢斗を返せ!』
「順也…お前何言ってんだ?」
『絢斗、俺はやっぱりお前がいい!ヨリ戻そうぜ』
「順也くん?それ3回目なんだろ?いい加減にしろよ。しかも、絢斗を返せって…絢斗は物じゃねえんだ。ふざけんじゃねーぞ、そして俺たちはただのダチだ」
ズキン…ダチ…トモダチ…だよな。
「絢斗、行くぞ」
「ああ…じゃあな順也」
二人は歩き出す。
「なぁ、優馬…俺たちダチだっけ?」
「俺は前からそのつもりだったぞ。今は"まだダチ“ってとこかな」
「"まだ“って…その先があるのか?」
「それを確かめてたいんだ。悪いけど俺にもわからない。とりあえず、飯だ。居酒屋でもいいか?色気ねーけど」
「何でもいいよ、任せる」
「とりあえず、飲まなきゃ話せないだろ【ゆうま】についてだ。大体は向こうのゆうまに聞いた」
「カンパイ」
二人してビールを煽る。もうどうにでもなれだ。黙々と食事を口に運び、またビールを煽る。
二人ともいい感じに酔ってきた頃、先に切り出したのは絢斗だった。
「な、優馬…お前俺のこと好きなわけ?」
「それはこっちのセリフだ。お前こそ…」
「俺はゲイだから、お前みたいなイケメンなら当然だ、でもお前は違うだろ?ミスキャン候補と付き合ってたんだもんな」
「あれはしつこく言い寄られて、面倒だっただけだ。今まで自分から好きになった事は…なかった」
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