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好きの種類2
「へぇ、向こうから寄ってくるから、拒まずって事か?」
「女は付き合っても断っても面倒だからな」
「じゃあ、男なら?俺なら?」
「八坂さんに言われたんだ。俺はお前が好きだって…確かに好きだがな、それが恋愛なのかはわからない…でもお前が八坂さんと寝てるって聞いて、嫉妬で堪らなくなった」
「じゃあ、試してみるか?俺たちが恋人同士になれるかどうか…」
「絢斗…お前酔うと雰囲気変わるな。ただでさえ美人なのに、妖艶な感じだ。で?何すんだ?」
「普通の恋人同士がする事だよ…キスしてペッティング…口淫…挿入…ってな」
「……」
「できないだろ?いくら俺が美人でも男だ。お前と同じもんが付いてるよ」
「……」
「話は終わりだ。解散しよう」
「ここで別れたら、お前はあっちのゆうまのとこに行くのか?」
「……」
「図星か…あっちのゆうまは俺の代わりなのか?」
「……だったらなんだよ…」
「本人がここにいるのに、あっちに行くのか?」
「ふ…お前ホントわかってないな。同じゆうまでも、お前は俺を抱いてはくれないだろ?」
「お前らゲイは…そんなに身体の繋がりが重要なのか?」
「お前にはわからないよ…外で堂々と愛してると言えない、結婚もできない。隠れて愛し合うんだ。身体の関係は愛を確かめるのには重要なんだよ」
「もういい…行けよ」
「……」
絢斗は万札を一枚置き、店を出て行った。
「クソッ」
優馬は悪態を吐きながら、会計を済ませ店を出る。
駅まで出ると、嫌な奴に会う。
『やぁ、優馬くん』
『なんであんたがここにいるんだ?』
『今夜、二人で食事って聞いてたから近くで待ってた』
『絢斗なら帰りましたよ』
『うん、知ってる。電話したけど今夜はフラれたよ』
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