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絢斗はその大きな目にいっぱいの涙を溜め、悠真を見つめる。
悠真は過去に絢斗を愛したその大きな手で、絢斗の頬に触れる。
『絢斗…俺は君を愛していた』
「悠真さん…俺も好きだったよ」
もう優馬は何も言わなかった。
二人には二人にしかわからない何かがある。それは責めを受けるような物じゃない。
『じゃあな、ディナー楽しんで。さよなら絢斗。優馬くん、絢斗は君に任せた。絶対に泣かせるな』
「わかってる…ベッド以外では泣かせない」
『ふっ、君も言うな…じゃあな』
二人は悠真を見送り、ディナーの席に戻った。
「はぁ、あのおっさん…カッコよすぎだろ…絢斗が好きになるのも納得だな」
「そうだね…でもやっぱり、人間としてってだけだった。優馬を好きなのと違う。だって優馬がアメリカ行くってなったら、何もかも捨てて着いてくよ。こんなふうに見送れない。優馬…愛してるんだ」
「うん、俺も愛してる。この先もずっと。ちゃんとしてから、指輪受け取りに行こうな。おっさんの金だと思うと微妙だけど俺たちの幸せを誰よりも願ってくれてる」
「ふふ、そうだね。悠真さんに見守ってもらおう」
それから3年後、俺たちは悠真さんからの指輪を受け取りに行った。
金額を見て、倒れそうになった二人の話はまた後日…
END
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