彼女持ちノンケ

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彼女持ちノンケ

『絢斗、アイツ何者だ?』 「はぁ…順也、お前話しかけんなって言わなかったか?アイツって誰だよ」 『アイツだよ、加賀谷優馬』 「優馬がなんだって?」 『アイツ、彼女いるぜ』 「だから何だよ…」 『驚かないのか?』 「そりゃ、あんだけイケメンなんだ。彼女がいたって別におかしくねーだろ」 『そうなのか?』 「順也…何が言いたいんだ?」 『アイツと付き合ってんじゃねーのか?』 「ふふっ、俺と優馬が?そうだなそれもいいかもな。どっちにしても順也には関係ないだろ?」 「あーやとっ!あれ?順也くんじゃないの?二人で何やってんの?絢斗は浮気中ですか?」 「優馬…黙ってろ」 『加賀谷優馬!お前、女がいるくせに絢斗にちょっかい出すんじゃねぇ!』 「はい?君には関係ないよね、絢斗?」 「優馬…もうよせ。俺に構うな。順也もだ。一人にしてくれ」 絢斗はそう言って、一人で帰って行った。コンビニで夕食と酒を調達しマンションへと急ぐ。 シャワーを浴びて、ローテーブルの横に座り込み膝を抱える。 涙が溢れる、何の涙だろ。 順也と別れた痛みが今になって? それとも… 優馬に彼女がいた事? もうどっちでも、何でもいい、誰でもいいから… もう、何も感じたくない。俺を壊してくれ。 そういえば、今日も二人に交際申し込まれたっけ…名前と学科くらい聞いとけば良かったな。 でも、後腐れない事を考えると出会い系もアリか。 イケメンに抱いて貰ったら、すべて忘れられるかな。 酔っ払った勢いで、マッチングする。駅に21:00。 あーあ、いいのか俺。 どうでもいいや、どうせ一晩だけだ。 無意識に選んだ名前は【ゆうま】だった。
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