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松野は敬子と小百合に背中を向け
『藤川大樹さんと私の関係は結城さん達が思ってる通りです。』
敬子は松野の背中を見ながら
『藤川大樹さんとはどう出会ったんですか?』
松野は窓の外を見ながら
『出会いは………私は保母になる為に大学に通ってました。お金の面で親には学費を頼らずに、私は学費を払う為にスナックで働いてました。その時に知り合ったのが大樹さんです。大樹さんは私に会いにスナックに通ってくれて、お付き合いをする事になり深い仲になりました。』
敬子は松野の話しに
『そんな出会いがあったんですね。』
松野は窓の外を見ながら話しを続け
『無事私が大学を卒業し保母になり、忙しさのあまり会う機会がなくなり今に至りました。ところが………』
敬子は松野に
『翔君の入園で再会したんですね。』
松野は窓の外を見ながら頷き
『入園式の時はお互いに驚きました。晴美さんには内緒で連絡先を交換し、大樹さんと何度かお会してるうちにまた深い仲になりました。時間は掛かりませんでした。』
敬子は松野の話の途中で
『それ不倫?』
松野は敬子の言葉に
『不倫だったんでしょうね。その頃に大樹さんが私に晴美さんには自分と出会う前から付き合ってる男がいるかもと言っていました。』
敬子は松野の話しに
『それってダブル不倫ですね………』
松野は窓の外を見ながら頷き
『暫くこの状態が続き、大樹さんに借金がある事に気がつきました。大樹さんに聞いたら晴美さんと別れて、悪い事が続く時は続くみたいで、勤めていた会社が景気が悪くてリストラされて………それでも養育費を払う為に借金をしていたとか………』
敬子は松野に
『暫くして養育費も払えなくなったんですね。』
松野は窓の外を見ながら頷き
『晴美さんは大樹さんが私とお付き合いしてる事を知ってしまって………あの日の夜に保育園まで来たんです。晴美さん興奮して、私に突っ掛かってきました。あの日の夜、太海浜保育園で山梨県に出張に行く準備をしていた時………』
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